飛鳥山3つの博物館

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飛鳥山とは

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「名所」飛鳥山の誕生

飛鳥山および王子、滝野川周辺は、近世中期以降になると江戸近郊の名所、庶民の行楽地として発展しました。その端緒を築いたのは、八代将軍徳川吉宗です。

吉宗は1720年(享保5)から翌年にかけて、飛鳥山に1270本もの桜を植えました。数年後、その桜が根付いて花を咲かせるようになると、水茶屋(湯茶を飲ませて休息させる店)の設置を許可し、庶民に開放したのです。以後、花見の名所として飛鳥山は広く知れ渡っていきますが、「春花秋草夏凉冬雪眺あるの勝地なり」(『江戸名所図会』)というように、富士山や筑波山の眺望も楽しめる上、付近には王子稲荷などの社寺や滝などの見どころも備えた、四季を通じての絶好の行楽地となりました。

飛鳥山・王子・滝野川は日本橋から2里(約8キロ)という、日帰り可能な距離であったことが、名所としての発展の要因となり、多くの人々が訪れることとなったのです。

画像:「名所江戸百景 飛鳥山北の眺望」歌川広重/1856年(安政3)/紙の博物館所蔵

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